2008年 10月 1日 掲載
今回は逆数のグラフを描いてみる． さっそく awk でデータファイルを作ってみよう．
$ awk 'BEGIN{for(x=-4;x<=4;x+=0.25)print x, 1/x}' > x-1.txt
awk: division by zero
source line number 1
っと，ゼロ除算エラーが出てしまった． ファイル x-1.txt は，x=0 の値を出力しようとしたところで止まってしまっている．
x<0 と x>0 の 2つの場合の出力を合成することにしよう．
$ awk 'BEGIN{for(x=-4;x<0;x+=0.25)print x, 1/x}' > x-1.txt
$ awk 'BEGIN{for(x=0.25;x<=4;x+=0.25)print x, 1/x}' >> x-1.txt
「>>」で出力が既存のファイルへ追加される．
できあがったデータファイルで，図を描いてみる．
$ psxy x-1.txt -R-4/4/-4/4 -Jx1 -Bg1a1 > x-1.eps
x が負の部分と正の部分が，直線で結ばれてしまった． これはまずい．どうしよう．
psxyコマンドは，入力ファイルを複数指定することができる． x<0 と x>0 の出力を別々のファイルに保存して図化すれば，この問題は回避できそうだ．
$ awk 'BEGIN{for(x=-4;x<0;x+=0.25)print x, 1/x}' > x-1a.txt
$ awk 'BEGIN{for(x=0.25;x<=4;x+=0.25)print x, 1/x}' > x-1b.txt
$ psxy x-1a.txt x-1b.txt -R-4/4/-4/4 -Jx1 -Bg1a1 > x-1.eps
期待どおりの図ができた．
しかし，1つの関数のデータが 2つのファイルにわかれているのは，あまり気持ちよくない． 何とかならないだろうか．
man psxy を調べてみると，-Mオプションを追加することにより， 区切り文字「>」でデータを分割したファイル（Multiple segment file）を扱うことができるようだ． やってみよう．
$ awk 'BEGIN{for(x=-4;x<0;x+=0.25)print x, 1/x}' > x-1m.txt
$ echo ">" >> x-1m.txt
$ awk 'BEGIN{for(x=0.25;x<=4;x+=0.25)print x, 1/x}' >> x-1m.txt
x<0 の出力と x>0 の出力の間に，echoコマンドで「>」を挿入している．
図化するときには -Mオプションを忘れないようにしよう（忘れるとエラーが出る）．
$ psxy x-1m.txt -R-4/4/-4/4 -Jx1 -Bg1a1 -M > x-1m.eps
ちゃんと逆数のグラフができた．
逆数の例では，2本の線を引くだけだったが， もっとたくさんの線を引くこともできる．
ためしに，文章なんかを書いてみよう． たとえば，こういうファイル gmt05_message.txtを図化すると，
$ psxy gmt05_message.txt -R0/17.5/0/4 -Jx1 -M > message.eps
こうなる↓．
パッと思いついたのが，20年前のアニメのネタだったりして， ずいぶん歳をとったなあ，とか思いつつ次号へつづく．
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