2008年 10月 1日 掲載
今回は描画の重ね合わせを扱う予定でしたが， ストーリーの都合上，次回の掲載といたします． 進行が行き当たりばったりで申し訳ありません．
今回は，データ点のプロットをしてみる． psxyコマンドに -Sオプションを付けることで， シンボルをプロットすることができるのだ． シンボルはいろいろ選べるのだが， 今回はシンプルに -Sc で円（Circle）をプロットしてみる．
まずは，データファイル xy.txt を作る．
$ awk 'BEGIN{for(x=-4;x<=4;x+=1)for(y=-4;y<=4;y+=1)print x, y}' > xy.txt
-4≦x≦4，-4≦y≦4 の範囲に，格子間隔 1 でデータ点をセットした． さっそく -Sc をつけて描画してみる．
$ psxy xy.txt -R-4/4/-4/4 -Jx1 -Ba1 -Sc > xy.eps psxy: Mismatch between actual (2) and expected (3) fields near line 0
エラーが出てしまった． 存在しているフィールド(2つ)と， 期待されるフィールド(3つ)が一致しない，とのことである．
描画には，x，y と，もうひとつ値が必要ということなのだが， 求められているのはシンボルのサイズである． シンボルのサイズを指定するには，次の 2通りの方法がある．
まず，最初の方法で描画してみる．-Sc に，円のサイズ（直径） 0.2 を追記する．
$ psxy xy.txt -R-4/4/-4/4 -Jx1 -Ba1 -Sc0.2 > xy.eps
期待される図ができた．
2番目の方法でも描画してみる． 3番目のフィールドに，円のサイズを 0.2 に指定した xy_2.txt を作って，描画する．
$ awk 'BEGIN{for(x=-4;x<=4;x+=1)for(y=-4;y<=4;y+=1)print x, y, 0.2}' > xy_2.txt
$ psxy xy_2.txt -R-4/4/-4/4 -Jx1 -Ba1 -Sc > xy_2.eps
同じ図ができた． まあ，この例では，最初のやり方（-Sc0.2）で作図するのがふつうだろう．
データファイルでシンボルサイズを指定する 2番目の方法は， xy点の値を表現するのに使える．例えば地震のマグニチュード分布とか．
例として，2次元のガウス関数を図化してみる． まずはデータ作り．
$ awk 'BEGIN{for(x=-4;x<=4;x+=1)for(y=-4;y<=4;y+=1)print x, y, exp(-(x*x+y*y)/8)}' > xyz.txt
図化するとこうなる．
$ psxy xyz.txt -R-4/4/-4/4 -Jx1 -Ba1 -Sc > xyz.eps
ここで，ちょっと疑問がわいた． データファイルの第3フィールドでサイズを指定し， -Scオプションにもサイズを指定するとどうなるのだろう． ためしてみた．
$ psxy xyz.txt -R-4/4/-4/4 -Jx1 -Ba1 -Sc0.2 > xyz_2.eps
-Scオプションのサイズが優先されるようだ．
3つ以上のフィールドのあるデータファイルのデータ点をプロットするのに， わざわざフィールドが 2つだけのファイルを作りなおさなくてもよい，ということになる．
次回は，ちゃんと描画の重ね合わせをやります．
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