1993年 5，6月の海鳥分布

2009年 5月 1日 掲載

一ヶ月の航海で，東経165度と145度の観測線を， 北緯20度から 48度まで訪れ，さまざまな海鳥を観察することができた． その中から，主要な 18種類の海鳥について，分布域をプロットしてみた．

アホウドリ類

各マークは，

• 白丸：コアホウドリ（Diomedea immutabilis）
• 黒丸：クロアシアホウドリ（Diomedea nigripes）
• 灰丸：両方

である．

ライトブルーの線は航跡で，ピンクの線は鳥の分布域のだいたいの境界である （以下の図も同様）．

クロアシアホウドリは，東経165度線では， 北緯35度までしか着いてこなかったので， この辺が北限かと思われたのだが， 北海道南岸でも 1羽が確認されている．

コアホウドリは，北でも南でも見られた．

両種とも，北緯27度以南では見られなかった．

ミズナギドリ類 1

東経165度線を走った Leg1 で見られた 3種類をプロットしてみた．

各マークは，

• 灰丸：フルマカモメ（Fulmarus glacialis）
• 黒丸：ハジロミズナギドリ（Pterodroma solandri）
• 白丸：マダラシロハラミズナギドリ（Pterodroma inexppectata）

である．

ハジロミズナギドリは，北緯40度くらいまで船に着いてきた．

マダラシロハラミズナギドリは，北緯44度以北で何度か遭遇した．

フルマカモメの分布域は，北緯約42度以北だった．

ミズナギドリ類 2

主に Leg2 で見られた種類をプロットしてみた．

各マークは，

• 白丸：シロハラミズナギドリ（Pterodroma hypoleuca）
• 黒丸：オナガミズナギドリ（Puffinus pacificus）
• 灰丸：ハイイロミズナギドリ（Puffinus griseus） ・ハシボソミズナギドリ（Puffinus tenuirostris）

である． ハイイロミズナギドリとハシボソミズナギドリは似ていて， 識別を誤っている可能性があるので，まとめてプロットした．

ハイイロミズナギドリとハシボソミズナギドリの分布は， 主に北緯35度以北であった．

北緯35度以南では，オナガミズナギドリとシロハラミズナギドリが混在していた．

ウミツバメ類

各マークは，

• 灰丸：ハイイロウミツバメ（Oceanodroma furcata）
• 白丸：コシジロウミツバメ（Oceanodroma leucorhoa） ・クロコシジロウミツバメ（Oceanodroma castro）
• 赤丸：オーストンウミツバメ（Oceanodroma tristrami）
• 黒丸：クロウミツバメ（Oceanodroma matsudairae）

である． コシジロウミツバメとクロコシジロウミツバメは似ていて， 識別を誤っている可能性があるので，まとめてプロットした．

北緯約45度以北にはハイイロウミツバメ， 北緯33度以南，東経160度以西にクロウミツバメ， その間の中緯度域にコシジロウミツバメおよびクロコシジロウミツバメ， と分布域がきれいに分かれていた．

カツオドリ類

各マークは，

• 黒丸：カツオドリ（Sula leucogaster）
• 白丸：アオツラカツオドリ（Sula dactylatra）

である．

カツオドリは北緯28度以南， アオツラカツオドリは北緯22度以南に出現している． というより，カツオドリは小笠原近海， アオツラカツオドリはマリアナ諸島近海に出現しているのかな？

トウゾクカモメ類

トウゾクカモメ類は，ほとんど識別できなかったので， まとめてプロットした．

分布域は北緯約45度以北． 攻撃相手のフルマカモメの分布とほぼ一致している．

ウミスズメ類（エトピリカ）

ウミスズメ類で確実に識別できたのは， エトピリカ（Lunda cirrhata） 1種だけだった．

分布域は，北緯約40度以北，東経約150度以東と，比較的広いが， 出現は局所的（3ヶ所）であった．

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